空手 体験談
スイミングスクールでも泣き続け、
幼稚園に入園しても泣き続け、
息子は嫌なことや自分にとって不愉快なことは
絶対に受け入れず徹底的に泣き続けました。
泣かないと約束した
2度目のスイミングスクールでも泣いた時に、
息子に足りないのは
心の強さと忍耐
だと思い知りました。
ほとんどの習い事は
子供(子ども)が泣くと
先生は優しく接して
落ち着かせようとするか、
少し放置して
落ち着くのも待つかになるのですが、
そうではなく
そこを厳しく
鍛えてもらうしかないと
空手にすがる思いで
習い始めました。
空手の中でも
厳しさで知られる流派を
あえて選び、
自転車の後ろに
息子を乗せて
20分かけて週に3回
通う生活が始まりました。
木曜日と土曜日は
同じ先生で
比較的息子が泣いていても気にせず
横について指導を続ける先生でした。
火曜日の先生は
若い男の先生で、
道場の前で泣いていると
息子を肩に担いで
道場に連れて行く
厳しい先生でした。
息子は最初のうちは
空手に行く時は
何曜日でも泣いていたのですが、
そのうち火曜日だけ
泣くようになりました。
明らかに
火曜日の厳しい先生が嫌だ!
というアピールです。
息子が習い事で
空手を選んだ動機に、
嫌なことがあると
泣き続けるということが
ありました。
嫌なことは
生きていれば
たくさんあるのです。
ですから
火曜日は特に何があっても
絶対に休まず、
雨の日も台風の日も、
雪が降った日も
道場に通い続けました。
それでも、
息子は抵抗をやめません。
そればかりか
ひどくなる一方で、
空手に行く前に
あまりにも絶叫して
泣き続けるので、
虐待をしているのではないかと
近所の人に
警察に通報されたこともあります。
息子は
結局2年間泣き続け、
厳しかった先生の方が
子供より先にやめてしまい、
道場に行く時に
泣くことはなくなりました。
厳しかった先生が
いなくなり
稽古は
真面目にやるので、
息子は
どんどん昇級していきました。
しかし、
試合に出ると大泣きで、
昇級していくレベルと
本当の実力に
ギャップが出てくるようになってきました。
その頃
学年が上がって授業時間が増え、
週2日の稽古時間に間に合わず
遅刻して参加することになり、
真面目に通うことも
できなくなりました。
悩んだ末に、
同じ流派で移籍する道
を選びました。
移籍先は
最寄り駅から電車で3駅目にあり、
稽古時間も遅く
子供(子ども)だけでも
通うことができます。
しかし、
心機一転頑張る!
と誓った
新しい道場でも
試合で大泣きして
父親を激怒させました。
試合で負けて泣くなら
わかるのですが、
息子は試合をする
こと自体が嫌で、
試合の相手に関係なく
ほぼ試合放棄のような状態で
泣き続けました。
父親が
息子の道着を
ゴミ箱に捨てた翌日に、
私は道場に行って
先生に今までの息子のすべてを話し、
「精神が弱く自分の心にかつことができませんが、
誰よりも真面目にやることはできるので
一から育ててください」
と頭を下げました。
先生は快く私の思いを受けてくださり、
その日から稽古後にも残って
先生の特訓を受ける
日々が続きました。
試合が苦手な息子に
試合方式で
稽古をしていただき、
驚くほど実力がついてくるように
なりました。
今息子は
空手を続けて6年目になります。
交流試合で優勝し
選抜選手に
選ばれるまでに成長しました。
大きな大会が
毎月のようになりますが、
もう情けない姿で
泣くことはありません。
帯の色も
黒帯まであと一歩です。
親としては
本当にいばらの道でしたが、
ようやくここまで
こられたと感慨もひとしおです。
習い事に空手を選び
息子には正解でした。
この夏、
3歳になる妹が
兄を追いかけて
空手を始める予定です。